全国共通がん医科歯科連携講習会

令和4年10月30日(日)

場所:広島歯科医師会館

歯科医師:山﨑志織

 がんは日本人の死因第一位で、男性の62%、女性の47%が生涯でがんになると言われています。医療の進歩により高齢化の影響を補正するとがん死亡率は減少しており、担がん患者は増えています。これからの時代を見据えて増加するがん療養生活中の方の「食べること」「話すこと」の歯科的なサポートから生活を豊かにするために、がん治療を正しく理解、知識のアップデートをして、がん治療中の患者さんであっても安心して歯科治療を受けてもらえるようにと今回の講習会で学んでまいりました。
 その一つのトピックとして、薬剤関連顎骨壊死:MRONJ に関しても最新の知見を聴講してきました。がん治療だけでなく骨粗鬆症の薬としても使われる骨吸収抑制薬や、抗がん剤の血管新生阻害薬を長期間使用している状態で、骨に感染と炎症が起こる-お口の中では重度の歯周炎や虫歯が歯の根まで進み病巣をもった状態が続くとこの薬剤関連顎骨壊死になることがあります。抜歯などを契機におこることが多く、投薬開始前の歯科検診が大切です。ここ十数年で、リスク因子やステージごとの治療が確立されてきております。この予防のためにも、口腔内の衛生状態をよく保つことが何より大切です。全身状態のことは治療においても大切ですので、当院でも確認させていただいておりますが、正しく医科歯科連携した状態でより良い治療を選択していただけるよう努めております。