日本臨床歯周病学会 再生療法 next step

2023.6.24〜25 @福岡国際会議場
中司

 生活習慣病の一つの歯周病は世界で最も蔓延している感染症です。現在の歯科治療では予防がメインとなっており治療だけでなく定期検診が重要視されてきています。その分患者さんの歯科への意識も高まり私たち歯科衛生士の役割は益々増えてきていると考えます。
 歯周病のリスクを高める要因は様々あります。今回の学会では歯周病になりやすい環境を改めて学びました。
 お口の中には約700種類の菌がいますがほとんどが常在菌で誰もが持っています。歯周病菌は病原化すると増え続けますが、普段は病原化する時を密かに狙って静かにしているのです。歯周病はいかにこの菌に餌を与えず病原化して増殖させないことが大切になります。病原化させる要因として喫煙も含まれます。近年は禁煙化が進んでおり以前に比べて喫煙者も減ってきています。しかし電子タバコの普及やコロナ禍で家庭内で喫煙される方も増えてきています。喫煙はお口の中にも様々な影響を及ぼします。
喫煙をすると歯周病は約4.75倍ものリスクがあると言われています。また受動喫煙と言われるタバコの煙を他人が吸っても3倍の歯周病リスクがあります。しかしながらタバコはニコチンという依存させてしまう成分が入っており簡単にやめられるものではありません。できるだけ長くご自身の歯で食事ができるように、周りの家族のためにも1度禁煙することを考えてみてはいかがでしょうか。
 歯周病、虫歯のリスクの高さは生活環境も含め人それぞれです。今回の学会では生活環境を知ることの大切さを改めて感じました。しっかり問診を行い患者さんに合った治療を選択、説明できるよう診療していきます。